
Netflixで鑑賞できる『父さんのバイオリン』をみた感想です。
想像以上に胸が熱くなる作品で、音楽を教える立場として、そしてひとりの親としても、心に深く響くストーリーでした。
物語の中心は、両親を亡くした少女・オズレムと、どこか心に壁を作った天才バイオリニストの叔父・メフメト。
最初はぎこちなく、すれ違ってばかりの2人ですが、バイオリンという共通言語を通して、少しずつ心の距離が縮まっていく様子が、丁寧に描かれていて、もう何度も、うるっときてしまいました。
特に印象的だったのが、オズレムがストリートでバイオリンを奏でるシーン!
自由に音を響かせる姿に、「うわぁ、いいなぁ」と思うほど感動して。
実は私も、いつかあんなふうに路上で自由に弾いてみたいって思ったことがあるんです。
人前で演奏するのには慣れていても、ストリートに立つって、ちょっと違う勇気がいりますよね。
そんな中、実際に私の生徒さんで、社会人として働きながらストリートバイオリン奏者になった方がいるんです。
その行動力と表現力、ほんとうに素敵だなぁと尊敬しています。
私はまだ勇気がなくて踏み出せていないけれど、オズレムの無邪気な笑顔を見ていたら、
「ああ、音楽ってもっと自由でいいんだな」って、改めて気づかされました。
この映画、音楽と心が少しずつ重なっていくような展開が本当に美しくて、
正反対の性格を持つ2人が“音”を通じて少しずつ歩み寄っていく姿に、
気づけば自分も寄り添っているような気持ちになります。
そして今回、トルコ映画は初体験だったのですが、街の風景や人々の温かさがとても印象的で癒されました。