
バイオリン、進度は速いほうがいい?遅いほうがいい?
こんにちは!
今日はバイオリンのレッスンでよく話題になる「進度」について、少し専門的な視点も交えてお話ししてみたいと思います。
「うちの子、このペースで大丈夫ですか?」
「もっと速く進んだほうがいいんでしょうか?」
そんなご相談、よくいただきます。
レッスンの進み方は、生徒さんの年齢、性格、基礎力、目標、さらには先生の指導方針によっても大きく変わります。
【進度が速いときのメリット・注意点】
テンポよく次の曲に進んでいくスタイルは、達成感を得やすく、モチベーション維持にも効果的です。
特に子どもたちは「新しい曲=レベルアップした感じ」がして、やる気に火がつくことが多いんですね。
ただし、ここで気をつけたいのが技術的な基礎が固まっているかどうかです。
例えば、左手のフォームが安定していない、ボウイングが不自然、弓の持ち方に癖がある
そんな状態で曲だけ進んでしまうと、どこかの段階で必ず行き詰まります。
「音は出ているけれど、音楽的に響いてこない」
「難しくなるにつれて、弾きにくくなってきた」
こういった悩みが後々表面化するケースもあります。
【進度がゆっくりなときのメリット・注意点】
一方で、1曲をじっくり丁寧に仕上げる進め方は、音の質・フォーム・表現力といった演奏の中身を深めることができる大切な時間です。
特に子供のうちは、「繰り返しの中で感覚を育てる」ことがとても重要です。
“音をよく聴く耳”もここでしっかり育ちます。
ただし、あまりに進まないと「今どこに向かってるの?」と、本人もご家族も不安になりモチベーションが下がってしまうことがありますよね。
子どもの集中力や好奇心が続かなくなってしまう場合もあるので、そうなる前に、曲の切り口を変える・別の技術課題に移るなど、工夫が必要です。
【「速さ」よりも「質とタイミング」】
進度は、「速ければよい」「遅いとダメ」というような簡単な話ではありません。
一人ひとりに合ったペースがありますし、それ以上に大切なのは「この曲をやる意味があるかどうか」なんです。
実は、講師として大切にしているのが、“この子が伸びる曲”を見つけること。
タイミングと曲の相性がピタッと合うと、伸びる瞬間があります。
そういうときは、普段より難しめの曲でも、不思議とスッと入っていったりします。
また、進度には「曲の進み方」だけでなく、音階やボーイング練習など基礎トレーニングの進み具合も密接に関わっています。
見た目にはあまり派手ではないこれらの練習こそ、将来の安定した演奏力につながっていくのです。
【進度が気になるときは、先生に聞いてみて】
もし、「もっと速く進んだほうがいいんじゃないか」「うちの子は遅れてるのでは…?」と不安になることがあったら、ぜひ遠慮なく先生に聞いてみてください。
きっと、「今はこの部分を強化しているんですよ」とか、「もう少しでステップアップの曲に入りますよ」など、ちゃんと理由があるはずです。
進度は先生とご家庭とが信頼関係を持って共有するものだと考えています。
先生と相談しながら、楽しく、進んでいきましょう♪